「核のゴミ」最終処分へ向かう文献調査が進められた寿都町と神恵内村。その「対話の場」で何が示され、その妥当性や「評価の考え方」はーー道教育大・岡村聡名誉教授の講演から学びました。主催は道原発連と国民大運動道実行委員会。
NUMOが2年間の文献調査を終え、専門家の意見をふまえた国の「評価の考え方」に沿って、報告書をまとめることにしています。どんな報告書が出るのか、注目なのです。しかし、「対話の場」で示された資料を見ると、次の段階(「概要調査」)へ進むことを先取りした内容になっているのではというのが、岡村さんの話の中心点。豊富な資料で、問題点がよくわかりました。
例えば、マグマが海水に触れて砕かれるために脆弱となる「水冷破砕岩」について、NUMOからは「地下深部のデータが少なく、十分な評価のためには現地調査によるデータ取得が必要」と、まるで概要調査に進む布石かと思われるのです。
1996年の豊浜トンネル崩落事故で、水冷破砕岩など不均質な岩層がありました。その過去の資料への過小評価や、逆の過大評価があると思われる箇所が見られます。
他に断層や火山の基準についても、処分地に向かない危険性が、文献調査の過程でもわかるのです。北電の資料を多用しながら、その資料との矛盾が指摘されて「持ち帰って検討」するとした内容もあるとのこと。これでは恣意的な結論が出されるのでは、との懸念が出るのも当然です。
会場から「そもそも日本で処分に適した地があるのか」との質問に、岡村さんは2012年の学術会議の提言を紹介しました。4つのプレートが重なる日本で、今の科学技術では責任が持てないとする内容で、処分の研究を進める間は今ある敷地での保管をと提示しています。
しかし、それでは原発を動かすたびに増える「核のゴミ」が溜まってしまいます。だから早く処分地をと「最終処分法」まで国が定め、寿都町・神恵内村での文献調査へと進んできました。原発ありきで、そのツケや危険性から目を背けるなど無責任なことではないのでしょうか。
しっかり学んで、ていねいに伝えて。私も努力していきたい。
【今日の句】対話だと 言いつつ結論 誘導か
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